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2025年8月

かつみゆきお 木の仕事

会期:
2025/8/14(木)ー8/17日(日)
新著『遊びが仕事で仕事が遊び!!』
が出来上がりました。

前半は生死を彷徨うほど深刻だった50日間に及ぶ入院闘病の記録、後半はそこから復活を果たし、トルコのイスタンブールからスイスのアイガー北壁麓までを彷徨った旅の記録と写真です。

展覧会では、自然木のテーブルや椅子、箱物、額、木の小物など展示する他、 遊びが仕事で仕事が遊び用 この旅の写真も併せて展示します。 本の販売もいたします。

かつみゆきお木の仕事
静岡の幸町で生まれ育った。5歳の時、空襲に遭った。庭に造られた防空壕にいたぼくと弟と母親に、隣の家の青年が周りが火の海に包まれているから避難するようにと知らせてくれた。本通りの国道1号線に出ると、防火用水に頭をつけて死んでいる人がいた。近くの神明神社に行くと、ここも火の海であった。母親は弟を背にぼくの手を引いて、安倍川の河川敷に行った。ここは地獄絵であった。多数の人が、上半身を川につけて倒れていた。次に静岡商業の野球グランドの大木の陰に隠れた。講堂の上をの戦闘機が急降下してきた。航空帽をかぶったパイロットの顔が見えた。弟は万歳厳と母親の背中で叫んでいた。しばらくして空襲は止んだようだ。静岡の街は、松坂屋と静岡銀行を省いて焼け野原になっていた。ぼくらは安倍川沿いにある田町小学校に避難した。教室の中には焼け爛れた人が多数いた。ここで、ぼくら親子は、ゴミ取りに入った白米のオニギリをいただいた。ぼくは理屈はいらない。何が何でも戦争をしてはいけない。ガンジーではないが、無抵抗主義者である。
かつみゆきお